心に響く言い方を研究していますと、おっしゃっている人がいます。
間違いではないけど、ちょっと違います。
その人に響く言葉というのは「その人に合った価値観」で心に響く言葉です。
私は、響く言葉を考えたり、研究したりはしません。
保護者の価値観を知れば良いだけです。
でもひとつだけ、型があります。
それは「オウム返し」と「問いかけ」です。
昔からピアノ教室ではよく「子どもに合った指導法をします」と言われていますが、過去の私は、全く意味がわかりませんでした。
人に合わせるって何?私はどうすればいいの?
と。
若い時には、喋らない子に「もっと大きい声で言って!」とか「言葉で言おうね」って促していましたが、私はなんてことをしていたのでしょう!
いちばんいいのは、価値観を知ることです。
何度も書いていますが。これほど最強なものはないですよ。
使ってみればわかります。
その人に合った言葉が見つけられます。
グサッとくる言葉は、そこに思い込みがあります。
~しなければならない
~してはいけない。
という言葉で表されます。
育ってきた過程で身に着けた価値観、信念です。
簡単な方法では、立ち居振る舞いを見ます。
特に、立ち居振る舞いでは、保護者が何を大切にしているかが、わかりやすいです。
たとえば「言葉づかい」「挨拶をする」「丁寧」「笑顔」「私をほめてくれる」
すべてにおいて、その人が大切にしているものが見えます。
私は、保護者に合わせて、同じように丁寧にする。同じように挨拶をする。同じように対応しています。
たとえば、お年賀を持ってくる。その商品をどこで買ったのか、どういう状態で持ってくるのか。そこにも、その人の大切にしていることが表れます。
たとえばちょっとしたお礼に、家にあったお菓子を家にあったきれいな包み紙で包み、メッセージカードを入れてくる。
こちらから何かお願いした時、その人と同じ方法でお礼を返すと、とても喜ばれます。
最近私は体験レッスンで保護者の価値観を聞くようになりました。
「お子さんのピアノを通じて、お母様はお子さんとどんな関係になりたいですか?」
「お子さんと接する時に何を大切にしていますか?」
たとえば、
「ピアノをお休みにしたい」
であれば、背景に保護者がどんな人で、どういうご家庭で、何を大切にしているか?がわかる必要があります。
その方は、お子さんにどんなフォローをしているのか?何を心配しているのか?家族間で誰かに遠慮していることがあるか?
そういう情報がわからないまま、ただ本やネットに書かれた「響く言葉」を言ってみても、響きません。
何を大事にしているかを尊重することで、関係は変わります。
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